マレーシア

マレーシア総選挙

日本その他のGoogleロゴはキルケゴール生誕200周年だが(こどもの日ではなく!)、マレーシア版は「Malaysia Election Day」。Google via kwout FacebookやTwitterで流れてくるだけでも追い切れず、ほとんど選挙ニュースをフォローする余裕がなかったのだ…

バーナード・チョウリー『イスタンブールに来ちゃったの』

大阪アジアン映画祭、14本目はシネ・ヌーヴォでマレーシアのバーナード・チョウリー『イスタンブールに来ちゃったの』。イスタンブール・ロケの美しい、ロマンティック・コメディーの王道をゆく作品だ。主演のリサ・スリハニはモデルでもあるそうだが、フ…

黄明志『カラ・キング』

第8回大阪アジアン映画祭、梅田ブルク7でのワールドプレミア。マレーシアのNameweeこと黄明志の新作は、前作『辣死你媽2.0』(Nasi Lemak 2.0)の料理対決に続いて今度は歌合戦。父がカラオケ教室の先生で、自分がロックをやっていることから思いついた設…

ウー・ミンジン『The Elephant and The Sea』

DVDでマレーシアのウー・ミンジン『The Elephant and The Sea』(2008)。 原因不明の(語られない)疫病に襲われた後の村という設定は、2005年の短篇『Catching The Sea』をふくらませたものといえるだろう。ここでは少年(李承運)と中年男性(…

藤村祐子、タイバ・スライマン編訳『レダン山のお姫様 マレーシアの昔話』

マレー半島に伝わる民話を集めた、藤村祐子、タイバ・スライマン編訳『レダン山のお姫様 マレーシアの昔話』(Cerita-Cerita Rakyat Malaysia)(財団法人大同生命国際文化基金、2003)。現在のシンガポールに関する話も収録されている。 「夢野久作」という…

マレーシア中国語映画のこれから

マレーシアの星洲日報のサイトに「大馬中文電影闖出路」として、マレーシアの中国語映画の特集記事が出ている。 大馬中文電影闖出路(一)轉折的商機(12/26) 大馬中文電影闖出路(二):現實vs夢想(12/27) 大馬中文電影闖出路(三):外援互補不足(12/2…

ジェームス・リー『趙夫人の地獄鍋』

アジアフォーカス・福岡国際映画祭にて。自分たちに危害を加える男(あるいはまだ加えていない男も)を次々に殺し、解体することで家族の絆を強めてゆく母と三姉妹を描いたスプラッター・ホラー。 三姉妹の母親(パーリー・チュア)は、夫の暴力に悩まされて…

ホー・ユーハン『心の魔』(心魔、2009)

DVDでマレーシアの何宇恆(ホー・ユーハン/Ho Yuhang)『心の魔』(心魔/At The End of Daybreak)。 23歳の徳仔(徐天佑)が16歳に満たない少女・盈(黃明慧)*1と交際、少女の両親に強姦罪で告訴すると脅され(未成年者との性行為は合意の上でも強姦…

ジェームス・リー『黒夜行路』

DVDでジェームス・リー(James Lee/李添興)『黒夜行路』(Call If You Need Me)。 黒仔(サニー・パン)が従兄の阿順(ピート・テオ)を頼ってクアラルンプールに出てきたところから物語は始まる。 従兄の妻(彼女?)(蔡恬詩)とその友人モニカ、従…

アミール・ムハマド『The Last Communist』(2009)

Lelaki komunis terakhir [DVD] [Import] メディア: DVD クリック: 1回 この商品を含むブログ (1件) を見る DVDで鑑賞。マラヤ共産党書記長、陳平の生涯を追ったドキュメンタリー。とはいうものの、陳平自身や関係者のインタビューなどではなく、陳平が過…

アミール・ムハマド『Village People Radio Show』(2007)

DVDで鑑賞。前作『The Last Communist』では、マラヤ共産党のタイの拠点で、マレー・ムスリムと華人でそれぞれ2つずつ、四つの集落を作って住んだという説明があった。マレー人の村はもう少し向こうにある、と言っていたが、本作ではムスリムの村で元党員た…

阿牛『アイス・カチャンは恋の味』(初戀紅豆冰/Ice Kacang Puppy Love、2010)

DVDで阿牛こと陳慶祥の初監督作品、『アイス・カチャンは恋の味』(初戀紅豆冰/Ice Kacang Puppy Love )。 www.nhk.or.jp 監督・主演の阿牛をはじめ、李心潔(アンジェリカ・リー)、曹格(ゲイリー・ツァオ)、梁靜茹(フィッシュ・リョン)、黄品冠(ビ…

シャリファ・アマニ『サンカル』(2010)

シンポジウム『「女性らしさ」の冒険――「愛しい母」ヤスミン・アフマドの思い出とともに』(於京都大学芝蘭会館)にてシャリファ・アマニ(Sharifah Amani)『サンカル』(Sangkar)(2010)鑑賞。 上映前に「マレーシアにおける教育と結婚」として、若手の…

ヤスミン・アハマド『タレンタイム』(Talentime, 2009, 再見)

大阪・国立民族学博物館「みんぱくワールドシネマ」にて。 初めて日本語字幕で観たが、初見時の感想から変わるところはあまりなく、改めて再見に堪える映画だと感じた。この作品はDVDで繰り返し観たので、あらかたの場面を覚えているのだけれど、それでも…

タン・チュイムイ『夏のない年』(Year Without A Summer、2010)

東京フィルメックス、有楽町・朝日ホールにて一本目のマレーシア映画、タン・チュイムイ(Tan Chui Mui/陳翠梅)の『夏のない年』(Year Without A Summer)鑑賞。 filmex.jp 長編第一作『愛は一切に勝つ』(Love Conquers All/莫失莫忘)の主な登場人物は…

ウー・ミンジン『タイガー・ファクトリー』&エドモンド・ヨウ『インハレーション』(2010)

東京国際映画祭で二本併映。最初にエドモンド・ヨウ(楊毅恒)の短編『インハレーション』(Inhalation/都是正常的)が上映され、それからウー・ミンジン(Woo Ming Jin/胡明進)『タイガー・ファクトリー』(The Tiger Factory /虎廠)という順番。2つの…

ウー・ミンジン『水辺の物語』(2009)

アジアフォーカス・ 福岡国際映画祭(ソラリアシネマ)でマレーシアのウー・ミンジン(Woo Ming Jin /胡明進)監督『水辺の物語』(Woman on Fire Looks for Water/遺情)。 漁村*1を舞台にした話。蛙採りで暮らしている華人の青年・阿飛(Ernest Chong)…

邱涌耀『Ah Kew The Digger』(2004)

VCDでマレーシアの邱涌耀(Khoo Eng Yow /クー・エンヨウ)による04年のドキュメンタリー、『Ah Kew The Digger(峇峇球)』鑑賞。IMDbにはデータが入っていないが、The Asian Film Archiveに紹介がある。 asianfilmarchive.org 在野の歴史学者、李永球が…

ヤスミン・アフマド『タレンタイム』(Talentime、2009)

シンガポールのキャセイ・オーチャードにてヤスミン・アフマド(Yasmin Ahmad)の遺作となった『タレンタイム(Talentime)』(09年)鑑賞。 台詞はマレー語・タミル語・英語で、字幕はマレー語と英語。マレー語の箇所では英語字幕だけになるが、英語の台詞か…

アミール・ムハマド『Apa Khabar Orang Kampung』(2007)

DVDでアミール・ムハマド(Amir Muhammad)のドキュメンタリー『Apa Khabar Orang Kampun(Village People Radio Show)』(公式サイト)鑑賞。この監督は日本でもよく紹介されているが、私が観るのは初めて。 タイ南部の村で、元マラヤ共産党員の老人た…

陳翠梅『3 Short Films by Tan ChuiMui』(2006)

『愛は一切に勝つ』のマレーシアの女性監督・陳翠梅(タン・チュイムイ)の短編三部をDVDにて。 South of South(南國以南)06年、11分 A Tree in Tanjung Malim(丹絨馬林有棵樹)05年、26分 Company of Mushrooms(蘑菇兄弟們)06年、30分 zacco-q.hate…

Liew Seng Tat『口袋里的花』(Flower in the Pocket、2007)

マレーシアのLiew Seng Tat(劉城達)監督『口袋里的花(Flower in the Pocket)』(2007)(公式サイト)鑑賞。今秋のアジア・フォーカス・福岡国際映画祭では「ポケットの花」のタイトルで上映予定。監督の来日・舞台あいさつも予定されている模様。中英文…

ジェームス・リー『 Waiting for Love 』(等愛、2007)

ジェームス・リー(李添興)監督の映画、『 Waiting for Love 等愛』(2007)(公式サイト)をDVDで鑑賞。 完全な室内劇で、三組のカップルが登場するオムニバス。いずれも「結婚」という問題をどう処理するかということがテーマになっている。最初のカップ…

ホー・ユーハン『Rain Dogs』(2006)

シネマート六本木にて「アジア新星流」の最終日。マレーシアの何宇恆(ホー・ユーハン)『太陽雨』(Rain Dogs)をやっと観られた。 何宇恆のフィルムはアテネで『Sanctuary(霧)』を観て意識が遠のいたので、よもやと危惧していたが、『太陽雨』はずっと親…

ディーパク・クマーラン・メーナン『ダンシング・ベル』(Chalanggai、2007)

東京国際映画祭で『砂利の道』のディーパク・クマーラン・メーナン(Deepak Kumaran Menon)監督の最新作、『ダンシング・ベル(Chalanggai)』(公式サイト)。マレーシアのインド系社会を背景にしたタミル語映画。 ダンシング・ベルとは何かと思ったら、古…

ディーパク・クマラン・メーナン『砂利の道』(Chemman Chaalai/The Gravel Road、2005)

東京国際映画祭、アジアの風部門でマレーシアのタミル語映画、『砂利の道(Chemman Chaalai/The Gravel Road)』(公式サイト)鑑賞。『愛は一切に勝つ(Love Conquers All)』の監督、陳翠梅がプロデューサーをつとめている。監督の母親の少女時代の体験に…

邱涌耀『鳥屋』(The Bird House、2007)

引き続きアテネ・フランセで邱涌耀(クー・エンヨウ)『鳥屋(The Bird House)』鑑賞。 舞台はマラッカ、戦前に建てられた古い家(ショップハウスというのはこれか)に住む福建系の一家。シンガポールで所帯を持っている兄がふらりと帰ってみると、いつのま…

バーナード・チョーリー『グッバイ・ボーイズ』(Goodbye Boys、2005)

国際交流基金映画講座のマレーシア映画特集で、バーナード・チョーリー(Bernard Chauly)『グッバイ・ボーイズ』鑑賞。かなり娯楽性が高く楽しく観られる一本。何宇恒の『霧』でぐったりした直後の上映だったので、緩急としては良かったか。 舞台は1990年の…

ジェームス・リー『私たちがまた恋に落ちる前に』(念你如昔/Before We Fall in Love Again、2006)

『グッバイ・ボーイズ』の直後はジェームス・リー(李添興)の『私たちがまた恋に落ちる前に(念你如昔/Before We Fall in Love Again)』(2006)。「念你如昔」という中文タイトルは、關錦鵬(スタンリー・クワン)の97年のドキュメンタリー作品と同名だ…

ヤスミン・アフマド『ムクシン』(Mukhsin、2006)

ヤスミン・アフマドの2006年の作品。『細い目』『グブラ』の主人公オーキッドの幼年時代を描いたもの。オーキッド(Sharifah Aryana)は華小に通う十歳のマレー人少女。国語はマレー語だが、小中学校では中国語・タミル語での教育も行われており(それでもマ…