2022-01-01から1年間の記事一覧

曾翠珊『河の流れ 時の流れ(河上變村)』(2014)

アジアンドキュメンタリーズで配信終了直前にすべりこみで見る。 新界は西貢の蠔涌村は400年の歴史を持ち、英国租借以前から代々暮らす「原居民」の村。10年に一度の祭り「太平清醮」のために村人が帰省してくるところから始まる。 この村では50年代から欧州…

何福仁『候鳥-我城的一位作家』

西西のドキュメンタリー『候鳥』、Vimeoでの期間限定配信で鑑賞。2019年(?)製作。 ムソルグスキー「展覧会の絵」に合わせて一曲ずつ彼女の人生を区切りながら、インタビューやアニメーションで織り成される。上海での幼年時代、家では広州話、外では上海…

エリザ・クバルスカ『海の遊牧民、バジャウ族』(2015)

asiandocs.co.jp アジアンドキュメンタリーズで配信、原題は"Walking Under Water"、ポーランド制作のドキュメンタリー。 ボルネオ東岸からフィリピンのスールー諸島にかけて暮らすバジャウ(サマ)人の海の暮らし。撮影地はインドネシア領内とのこと。 小船…

シャムスル・ユーソフ『ムナフィク -悪魔潜伏- 2』(2018)

シャムスル・ユーソフ監督・脚本・主演、イスラーム版悪魔祓い映画。時代設定は今ひとつ分からなかったが…… Netflixでは2しか配信がないのだが、ストーリーは1とつながっているらしく、主人公のウスタズ、アダムの妻マリアがなぜ死んだのかは2だけ見ても分か…

ロッキー・ソラヤ『よみがえったスザンナ』(2018)

インドネシアのスンデルボロン映画『よみがえったスザンナ』(2018)。 1989年、妊娠中に殺害されたスザンナが怨霊スンデルボロンとなって蘇る。ポンティアナックといいスンデルボロンといい、彼女らを殺した男どもが、許しを請うのではなく村の衆を率いて怨…

Karina Robles Bahrin《The Accidental Malay》(Epigram Books、2022)

The Accidental Malay (Epigram Books Fiction Prize Winners) (English Edition) 作者:Bahrin, Karina Robles Epigram Books Amazon シンガポールの出版社から刊行された、マレーシア人作家による英語の長編小説。 マレーシアの肉乾(ポークジャーキー)で…

グレン・ゴーイ&ギャビン・ヤップ『ポンティアナックの復讐』(2019)

昔のキャセイ・クリスのポンティアナック映画のオマージュと思われるシーンが色々。バナナ林とプルメリアの花はポンティアナックにつきものらしく、ボモ(呪術師)が彼女の存在を感知するシーンでプルメリアのカットが挿入される。 ポンティアナックとして蘇…

アリ・アスター『ヘレディタリー/継承』(2018)

序盤に主人公の精神疾患の家族歴と、本人も夢遊病であることが語られる。「解離性同一性障害」に加えて晩年には認知症も患っていたと説明される死んだ母の「疾患」とは……という筋。 ショック・シーンは予想したほど怖くないが、「えっここでもう?」と思う段…

アリ・アスター『ミッドサマー』(2019)

サウンドがとても良くて、これなら映画館に観に行けばよかったと後悔。メイクイーン選出後の食卓で、皿に盛られた料理や飾り付けの草花がにゅるにゅる動く。マイスリーで誘発される入眠時幻覚とそっくりだ。 それにしても爽快だった。香港の陥落が成就させる…