アメリカ

グレゴリー・プロトキン『パラノーマル・アクティビティ5』(Paranormal Activity: The Ghost Dimension、2015)

シリーズ1・2・3、呪いの印と来て、4は未見で5へ。ケイティとクリスティの姉妹の幼少期を描いたシリーズ3に接続している。 少女リーラと父母が引っ越して来るところから始まる。クリスマスを迎え、父の弟がやって来て長逗留することに。そこに前の住人が残し…

ケビン・コルシュ、デニス・ウィドマイヤー『ペット・セメタリー』(Pet Sematary、2019)

スティーヴン・キング原作。1989年にも映画化されているそうだが、こちらは2019年のバージョン。オープニングは、庭先に停まった車の開いたままのドアから、血痕がポーチを伝って家の中へと続くカット。 ペット・セメタリー (2019) (字幕版) ジェイソン クラ…

リー・クローニン『死霊のはらわた ライジング』(Evil Dead Rise、2023)

これは設定が邪悪すぎる。湖畔の山小屋で悪魔に襲われる若者たちの話と思いきや、それはまくらに過ぎず、メインはその前日に悪魔を呼び出してしまった一家の惨劇だ。 妊娠に気付いた妹は、長く疎遠だった姉の家を訪ねる。しかしタトゥーアーティストの姉は離…

ジェームズ・ワン『アクアマン』(Aquaman、2018)

アーサー(ジェイソン・モモア)は、海底のアトランティス帝国の女王(ニコール・キッドマン)と人間の灯台守との間に生まれ、水陸両方で自在に活動できる。父子は海底の政争のために連れ戻された母の帰還を待つが、やがて彼女は処刑されたと知らされる。 は…

クリストファー・ランドン『パラノーマル・アクティビティ/呪いの印』(Paranormal Activity: The Marked Ones、2014)

『パラノーマル・アクティビティ』シリーズ第4作。ケイティとクリスティの姉妹をめぐる3作目までの物語からいったん離れ、メキシコ系のコミュニティへと舞台は移る。定点カメラではなく小型の手持ちカメラでの撮影へと変化。 主人公ジェシーの高校の卒業式か…

アニーシュ・チャガンティ『search サーチ』(Searching、2018)

『RUN/ラン』のアニーシュ・チャガンティ監督作品。失踪した娘の手がかりを求め、父親が必死で娘のノートパソコンの履歴を調べるサスペンス。画面に映し出されるのは、すべてFaceTimeの通話やSNS画像、ウェブサイトにニュース動画という画面内カメラを通した…

パーカー・フィン『Smile スマイル』(Smile、2022)』

精神的な問題を抱える女性を主人公にするホラー映画では、以前に依存症を描いた『エンドレス・エクソシズム』を見たが、こちらは自死遺族のトラウマに焦点を当てた作品。 精神科救急医療を担当している医師のローズ(ソシー・ベーコン)の元に、脅えきった若…

リドリー・スコット『エイリアン』(Alien、1979)

ボディ・ホラーの文脈でよく聞くものの、見たことはなかったので初めて配信で鑑賞。 エイリアンに襲われるシーンより、規定のプロトコルを自己判断で無視し、さらに乗組員間の連携を失うという事故発生の経緯の方がむしろ恐ろしい。そしてリプリー(シガニー…

エリザベス・バンクス『コカイン・ベア』(2023)

cocainebear.jp 密輸組織が国立公園に落とした大量のコカインを食べたクロクマ。通常なら刺激しない限り人間を襲うことはない、おとなしい熊だそうだが、結婚を控えた善良な登山客だろうが動物保護の専門家だろうが、国立公園のレンジャーだろうが、誰かれ構…

ジェームズ・ガン『スリザー』(Slither、2006)

" data-en-clipboard="true"> 米国の田舎町郊外の森に隕石が墜落。そこに付着していた地球外生命体が孵化し……。 地球外生命体に寄生されると、ペニスを思わせる触手が腹から生え、それを女の腹に突き刺すことで授精するという設定。同じようなパターンだしも…

ショーン・S・カニンガム『13日の金曜日』(Friday the 13th、1980)

ホッケーマスクの殺人鬼ジェイソンが暴れまくる映画だとばかり思っていたら、一作目はまさかの殺人鬼視点で、終盤まで犯人が明かされない。キャンプ場ではめを外す若い男女の姿が、手持ちカメラで窃視的に映し出される序盤に感嘆。冒頭の1958年の殺人シーン…

ウィリアム・ブレント・ベル『邪悪は宿る』(Separation、2021)

漫画家の夫(ルパート・フレンド)と弁護士事務所で働く妻。夫はかつてヒット作を生んだものの、今や事実上の無職である。妻の父はやり手の弁護士で、妻はそこで働いて一家を養っている。夫の方はいつまでたっても大人になれず、娘の世話どころか、怪我をし…

ジェイミー・ブランクス『ルール』(Urban Legend、1998)

大学内で連続する都市伝説そっくりの殺人事件。若い女性が一人で運転している車の後部座席に男が潜んでいるとか、「電気を点けなくてよかったな」という類の日本でも知られる話が多い。大学寮にも伝説があり、25年前に教授が学生を皆殺しにしたが、大学当局…

オリヴァー・ヒルシュビーゲル『インベージョン』(The Invasion、2007)

" data-en-clipboard="true"> 『es[エス]』の監督による地球外生命体侵略もの。原作はジャック・フィニー『盗まれた街』(1955)である由。ニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグら青い目の俳優を集め、色の失われた街で瞳の青が印象的に映る。 米国内…

デヴィッド・ゴードン・グリーン『ハロウィン KILLS』(Halloween Kills、2021)

『ハロウィン』シリーズの2018年版の続編とのこと。1978年の事件を経て、40年後の2018年、当時の関係者が病院から脱走した殺人鬼ブギーマンことマイケル・マイヤーズと対決したのが2018年版らしい。そちらを見なくても大筋は分かるものの、両作品は完全につ…

ベン・ウィートリー『MEG ザ・モンスターズ2』(Meg 2: The Trench)

「ピピンの二度目の受難」とサブタイトルをつけたい。ジョン・タートルトーブによる前作の直接の続編で、五年後の設定。テイラー(ジェイソン・ステイサム)は環境活動家として大型船に潜入し、放射性物質の不法投棄の証拠をつかむ。前作のパートナー役だっ…

ジョシュ・フォーブス『アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界』(Contracted: Phase II、2015)

『スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間』(Contracted、2013)の続編だそうだ。サマンサという女性が事故車から飛び出し、実の母親に噛みつくところから始まる。前作はこのサマンサが主役だったそうだが、こちらはサマンサと関係を持ってし…

ジェームズ・デモナコ『パージ』(The Purge、2013)

一年に一晩だけ、すべての犯罪が〈パージ〉として合法化される近未来の米国。富裕層はセキュリティ付きの家に隠れ、貧困層が集中的にリンチの対象となる。しかし年に一度、獣性を解き放つことで、残りの364日の犯罪率は激減、失業率も一パーセントまで低下す…

フェデ・アルバレス『死霊のはらわた』(Evil Dead、2013)

『ドント・ブリーズ』シリーズのフェデ・アルバレスが、サム・ライミ監督の1981年の同名作品をリメイクしたもの。サム・ライミは脚本と製作に回っている。オリジナルは未見だが、ジャンプスケアや文字通り血の雨が降る派手な演出、そして恐怖というより不快…

ルル・ワン『フェアウェル』(The Farewell/別告訴她、2019)

NYにひとり暮らししている30歳の作家(志望?)ビリー(碧莉)は、期待をかけたフェローシップの不合格通知が届き落胆する。それと同時に、長春に暮らす父方の祖母がステージⅣの肺癌だと知らされショックを受ける。 中国語タイトルは「彼女に言わないで」。…

ダニエル・マイリック、エドゥアルド・サンチェス『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(The Blair Witch Project、1999)

ファウンド・フッテージホラーの有名作品なので、今さらながら見てみた。後からこの手法はもっと洗練されてきたこともあり、今なら話題になることもなさそうで、先行作の悲哀を感じる。ロケ地はメリーランド州の国立公園である由。ブレアの魔女の伝説を取材…

アニーシュ・チャガンティ『RUN/ラン』(Run、2020)

ダイアン(サラ・ポールソン)は娘のクロエ(キーラ・アレン)と二人暮らし。複数の疾患を抱えて車椅子生活のクロエは、工学に関心を持ち、ホームスクーリングで学びながら大学の合格通知を心待ちにしている。 保護者の集いでは、子供の自立に際して涙ながら…

シルヴァン・ホワイト『スレンダーマン 奴を見たら、終わり』(Slender Man、2018)

ネット上のミーム「スレンダーマン」に、ボディホラーの要素を交えた映画。中学生向けに作られたようで、恐怖描写は控えめだが、画面に映らない部分への妄想をたくましくすると別の側面も見えてくる。 スレンダーマン 奴を見たら、終わり (字幕版) ジョーイ…

ジョン・エリック・ドゥードル『REC:レック/ザ・クアランティン』(Quarantine、2008)

夜勤の消防士を取材に来た女性レポーターのアンジェラと男性カメラマンのスコット。このカメラの映像によるPOVホラー。 舞台はロサンゼルス、救急車の8割は消防署から出動し、消防士は緊急救命士の資格も持っていると取材に答える。日本の観客からすると、救…

ルパート・ウェインライト『ザ・フォッグ』 (The Fog、2005)

ジョン・カーペンター監督の同名作品(1980)のリメイクホラー。 アントニオ島という小さな島。港町の建設の功労者として称えられる四人の男を記念した像が作られ、除幕式を迎える日、海上から濃い霧がやってくる。ちょうど時を同じくして、町を出ていたエリ…

マイケル・チャベス『ラ・ヨローナ〜泣く女〜』(The Curse of La Llorona、2019)

死霊館シリーズのスピンオフのような位置づけで、ウォーレン夫妻は登場しないが、人形アナベルを封印した神父がちょっと登場する。『死霊館 悪魔のせいなら、無罪。』(2021)のマイケル・チャベスの長編初監督である由。 〈ラ・ヨローナ〉とはメキシコの伝…

ゲイリー・ドーベルマン『アナベル 死霊博物館』(Annabelle Comes Home、2019)

アナベルシリーズの脚本家が初めてメガホンを撮った作品。 ロレインとエドのウォーレン夫妻が自宅の保管室に封印した呪われた人形アナベル。一年後、夫妻の留守に、娘ジュディのベビーシッターを頼まれたメアリー・エレンの友人ダニエラが保管室に入り込んで…

オリヴィア・ワイルド『ドント・ウォーリー・ダーリン』(Don't Worry Darling、2022)

マリリン・モンローのような装いの妻を専業主婦として家に置いておくのが自慢だった時代。整然と設計され塵ひとつないヴィクトリアという企業都市は、社員とその家族のみが立ち入りを許され、指定の居住区域から出ることは許されていない。家の中も清潔に整…

スティーヴン・クォーレ『ファイナル・デッドブリッジ』(Final Destination 5、2011)

直前の予知夢で大惨事からからくも生還したものの、生存者が一人ずつ不幸な偶然の連鎖で死んでゆくシリーズ5作目。高校生が主人公だったこれまでと異なり、社員研修のバスが通過する際に吊り橋が崩落するのが発端。 どうせエンドクレジットまで見ずに客は帰…

ジェームズ・ウォン『ファイナル・デッドコースター』(Final Destination 3、2006)

再びジェームズ・ウォンがメガホンをとった〈ファイナル・デスティネーション〉シリーズ第三作。 事故の模様を幻視した主人公が回避行動を取り、それによって助かったはずの人々が次々にアクシデントに見舞われ……という同じパターンだが、とはいえ小さなミス…