ジェイミー・ブランクス『ルール』(Urban Legend、1998)

 大学内で連続する都市伝説そっくりの殺人事件。若い女性が一人で運転している車の後部座席に男が潜んでいるとか、「電気を点けなくてよかったな」という類の日本でも知られる話が多い。大学寮にも伝説があり、25年前に教授が学生を皆殺しにしたが、大学当局が事件をもみ消したというもの。
 ヒロインのナタリー(アリシア・ウィット)は白い肌にどこか憂いを含んだストロベリーブロンドで、周りの学生たちのバカ騒ぎに距離を置いている。男子学生といえば小学生レベルの悪ふざけばかりしているバカ男、人が死のうがどうしようがおかまいなしにネタとしてしか見ない学生新聞の記者、女子は女子で、いつも不機嫌で勝手に部屋に男を連れ込むルームメイトと起居を共にしなければならない。もっとも、このルームメイトはリタリンを処方されており、双極性障害で苦しんでいたことが後に判明する。
 被害者となる学生たちは、直前にだいたい周囲をイラッとさせるエピソードが挟まれ、それが死をもって罰せられる構成になっている。ヒロインの周囲で起こる殺人の数々に、都市伝説の模倣以上の目的があるのかどうか……というあたりから、ようやく無差別殺人ではなくある狙いが見えてくる。
 それにしても、米国の大学キャンパスを舞台にしたサスペンスには、往々にして女子学生にとっての寮生活の危険が描かれるが、これも例外ではない。キャンパスポリスは登場するものの、勤務に当たるのは一人だけで、銃は携行しているが学生の個室で行われる性犯罪などは防げないだろう。
 キャンパスポリスは黒人女性で、銃を持った映画のヒロインが彼女のロールモデルとなっている。待機時間にはビデオで一昔前の映画を見ているシーンがあるが、『ジャッキー・ブラウン』が97年なので黒人女性スターのアクション映画が見直されていた時期だろうか。