インド

ウェス・アンダーソン『奇才ヘンリー・シュガーの物語』(Roald Dahl's The Wonderful Story of Henry Sugar、2023)

ロアルド・ダール原作の短篇から四つを短篇映画シリーズにしたもの。邦題は『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』とも。動きを最小限にした演劇的な構成で、いずれも作家自身が途中で顔を出し、執筆中の書斎から観客に語りかける。 『奇才ヘンリー・シュガ…

マラティ・ラオ『ゲシェマの誕生 ー尼僧院の希望ー』(The Geshema Is Born、2019)

チベット仏教の尼僧たちの姿をインドで取材したドキュメンタリー(クレジットを見るとネパールの尼僧院も撮影に協力しているようだ)。アジアンドキュメンタリーズ配信。 asiandocs.co.jp 「ゲシェ」というのはチベット仏教の学位取得者の称号で、尼僧の場合…

ダン・ブラガ・ウルベスタッド 『バラナシ 死のホテル』(BY THE RIVER、2020)

サタジット・レイの児童向け小説『消えた象神(ガネーシャ)』(1976)の舞台がバラナシだったので、現在の街の様子をとらえたこのフィルムを観てみた。25分ほどの短編作品。アジアンドキュメンタリーズの配信で鑑賞。 asiandocs.co.jp 音楽を伴い、バラナシ…

サタジット・レイ『ユニコーンを探して─サタジット・レイ小説集』(内山眞理子訳、筑摩書房、1993)

サタジット・レイの短編小説集。これは児童文学として書かれたものではなく、大人向けの内容だ。落ちのあるユーモア小説からダークな怪奇小説、そしてチベットを舞台にしたファンタジーまで、すべてベンガル語からの翻訳とのこと。 ユニコーンを探して―サタ…

サタジット・レイ〈探偵フェルダー〉二作

" data-en-clipboard="true"> サタジット・レイ『黄金の城塞』(西岡直樹訳、石踊紘一絵、くもん出版、1991) サタジット・レイ『消えた象神 – ガネーシャ』(西岡直樹訳、山本明比古絵、くもん出版、1993) 映画監督として知られるサタジット・レイが小説を…

『サタジット・レイの世界』(X-Ray: Selected Satyajit Shorts、2021)

ベンガルの映画監督サタジット・レイ(1921-92)の短編小説を元に、舞台を現代に置き換えた一話完結のNetflixオムニバスドラマ。一話60分足らずで全四話。オープニングのアニメーションも、よく見ると各話のモチーフをつないだ凝ったものだ。 原作となった小…

テリー・サムンドラ『漆黒の井戸の底から』(Kaali Khuhi、2020)

ヒンディー語ホラー映画。90分と尺は短いが、インドの農村(どの地域かは分からなかった)を舞台にしたフェミニストホラー、というより家父長制ホラーという趣のフィルム。インド製作のホラーは初めて観た。 町で暮らしている夫婦と、娘シヴァンギ。父の母が…

Abhay Kumar『プラセボ あるインドの名門医学生の心理』(PLACEBO, 2014)

asiandocs.co.jp インド・フィンランド合作ドキュメンタリー。ニューデリーの超難関校全インド医科大学(AIIMS)に通う弟の事故を受けて、監督はカメラを持って学生寮に乗り込む。寮の部屋のインタビュー映像に、アニメーションが挿入される構成。 最初のイ…

アン・リー『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 (字幕版) 発売日: 2013/11/26 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る シネプレックス幕張にて2D字幕版『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(公式サイト)。 虎と少年が一緒に漂流する話な…

アパルナ・セン『妻は、はるか日本に』

アジアフォーカス・福岡国際映画祭にて。オックスフォード在住の作家クナル・バスの原作を元に、女優としても活躍するアパルナ・センが映画化した作品。 日本の少女ミヤゲ(高久ちぐさ)(物語の開始時には19歳)がインドの雑誌に文通相手募集の公告を出し…