チベット

エリザ・クバルスカ『クンバカルナの壁』(The Wall of Shadows、2022)

『海の遊牧民 バジャウ族』でビーチリゾートを訪れる観光客と地元のバジャウ人の経済格差を描いたエリザ・クバルスカ(Eliza Kubarska)による山岳ドキュメンタリー。代理店を介して経済化される登山ツーリズムの現場が映される。アジアンドキュメンタリーズ…

ドナー・コールマン『トゥクダム 生と死の境界』(Tukdam: Between Worlds、2022)

「トゥクダム」とは冥想中に臨床上の死を迎えながら、姿勢が崩れることもなく死後硬直も起こらず、生きているかのような状態で数日以上経過することをいう。チベット仏教では、冥想中に意識は深みに到達するが、その最深部に下りた微細な意識が肉体に残って…

金華青『仄暗く赤い森』(絳紅森林、2021)

『チベット・ガール』の男性監督・金華青によるドキュメンタリー。アジアンドキュメンタリーズ配信。 asiandocs.co.jp zacco-q.hatenablog.com 四川省カンゼ・チベット族自治州白玉県に位置するヤチェン(亜青)寺。尼僧たちは長い冬の間、雪原に一人一室ず…

林麗芳『ツンマ ツンマ ヒマラヤの尼僧たちと過ごした夏』(尊瑪、尊瑪: 我和她們在喜馬拉雅的夏天、2018)

台湾の女性監督によるインドのスピティ(ヒマーチャル・プラデーシュ州)、ラダック、ダラムサラの修道院の取材。監督は50歳を前に思うところあってヒマラヤを旅したというが、自分の解釈を抑制した語りで、修道院の日常生活の細部に丹念に目を向けている。…

金華青『チベット・ガール 翼を求めて』(貢秋卓瑪、The Tibetan Girl、2016)

30分の短編。アジアンドキュメンタリーズ配信。 中国・四川省アバ出身の女性歌手。家族の心配をよそに単身北京に赴くが、信仰と生活が一体となった草原の暮らしとはまったく異なる上、漢族の飲食その他の習慣にも馴染めない。かといって、帰郷しても虚しさか…

マラティ・ラオ『ゲシェマの誕生 ー尼僧院の希望ー』(The Geshema Is Born、2019)

チベット仏教の尼僧たちの姿をインドで取材したドキュメンタリー(クレジットを見るとネパールの尼僧院も撮影に協力しているようだ)。アジアンドキュメンタリーズ配信。 asiandocs.co.jp 「ゲシェ」というのはチベット仏教の学位取得者の称号で、尼僧の場合…

ペマ・ツェテン『羊飼いと風船』(氣球、2019)

監督自身の漢語小説を原作とするチベット語映画。漢語の台詞は風船を買うわずかなやりとりのみで、エンドロールもすべてチベット語(+英語)。チベット語の世界を漢語で文章にすることを最初の翻訳とすれば、映画はチベット語の音と風景への再翻訳といえる…

トンドゥプジャ『チベット現代文学の曙 ここにも激しく躍動する生きた心臓がある』

チベット現代文学の曙 ここにも激しく躍動する生きた心臓がある 作者: トンドゥプジャ,チベット文学研究会編訳 出版社/メーカー: 勉誠出版 発売日: 2012/11/09 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る トンドゥプジャ『チベット現代文学の曙 ここにも…