ことば

山老鼠(盗伐者/共産ゲリラ)

「山老鼠熱點公布 學者:讓更多人緊盯」との見出し。台湾では林木の違法伐採など山林資源の窃盗犯を「ヤマネズミ」と俗称する由。 udn.com 詩経に「碩鼠碩鼠,無食我黍」とあるように、ネズミは古来泥棒の代名詞にされて気の毒な話だ。 他方、マレーシアでは…

開芭樂票(空手形を切る)

「說到做到講信用 這3星座不開芭樂票」(自由時報)という見出し。 news.ltn.com.tw 萌典で「芭樂票」の項目を引いてみると、 空頭支票的俗稱 とある。「空頭支票」は不渡り小切手、空手形、転じて実行されない約束のことだが、どうして「芭樂」(グアバ)小…

槍花

張愛玲『小団円』再読中。初読時に比べていくらかは読めるようになっているかと思いきや、読めないところはいつになっても読めない。 她儿子进宝一度由盛家托人荐了个事,他人很机灵,长得又漂亮,那时候二十几岁,枪花很大,出了碴子,还是韩妈给求了下来。…

街友

「郊遊」結緣街友 蔡明亮義演送暖 「郊遊」結緣街友 蔡明亮義演送暖 | 藝人動態 | 娛樂追星 | 聯合新聞網 導演蔡明亮與演員李康生因為拍攝電影「郊遊」而與街友結緣,他們在得知人安基金會愛心尾牙經費仍短缺新台幣1千萬後,因不忍街友無法圍爐,昨天公開呼…

Tom Dick and Harry

我的天 タテの巻 作者: クレイグ・オウイェン,Craig Au Yeung,志摩千歳 出版社/メーカー: 産業編集センター 発売日: 2002/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 我的天 ヨコの巻 作者: クレイグ・オウイェン,Craig Au Yeung,志摩千歳 出版社/メー…

一毛不拔

『警世通言』第二十八巻「白娘子永鎮雷峰塔」 姐夫姐姐聽得說罷,肚內暗自尋思道:“許宣日常一毛不拔,今日壞得些錢鈔,便要我替他討老小?”夫妻二人,你我相看,只不回話。 (姉夫婦は話を聞いてしまうと、腹の中でひそかに考えをめぐらせました。「許宣は…

公仔

広東語の“公仔”とは縫いぐるみや人形を指すものだと思っていたけれど、ウー・ミンジンの『The Elephant and The Sea』(感想)で「英語がわからなくても大丈夫、“公仔”もあるから」、と教会のパンフレットを手渡す場面があり、絵や写真も指すのだとはじめて…

勝又あや子『「食」の中国語』

「食」の中国語 作者: 勝又あや子 出版社/メーカー: 東洋書店 発売日: 2010/03/01 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 3回 この商品を含むブログ (1件) を見る 勝又あや子『「食」の中国語』(東洋書店、2010)。「食べる」「作る」の二部構成でシチ…

萬字票

マレーシア映画『The Elephant and The Sea』(ウー・ミンジン/Woo Ming Jin監督、2008年)に主人公が“萬字”を買う場面が繰り返し出てくる。 調べてみると、“萬字”あるいは“萬字票”とは、マレーシアやシンガポールで流行している数字選択式宝くじで、日本…

陳培豊『日本統治と植民地漢文 台湾における漢文の境界と想像』

日本統治と植民地漢文―台湾における漢文の境界と想像 作者: 陳培豊 出版社/メーカー: 三元社 発売日: 2012/09/01 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログ (3件) を見る 陳培豊『日本統治と植民地漢文 台湾における漢文の境界と想像』(三元社…

スメタナ

ピョートル・ワイリ&アレクサンドル・ゲニス(沼野充義・北川和美・守屋愛訳)『亡命ロシア料理』(未知谷、1996)に「スメタナを勧めたな!」という章がある。ボルシチに添えられるクリームは確かに記憶にあるが、「スメタナ」という名称は初めて知った。 …

會ㄋㄞ

戴愛玲(と信樂團)の『壞壞惹人愛』という歌はこんな出だしで始まる。 妖妖嬌嬌 走去走來 Everybody 被她勾的心難耐 她很可愛 她很會ㄋㄞ 落在她的手里男人只好乖乖 “會ㄋㄞ”というのはどうやら“撒嬌”(甘える)ことのようだが、と思っていたら、ちょうど読ん…

長衫/changshan/cheongsam

ジャマイカの中国系移民一世を主人公にした物語、Kerry Youngの『Pao』を読み始めた。主人公のフィリップことパオが豊かな華人の娘 Fay Wong と結婚するのだが、これがまたわがままいっぱいに育ったお嬢さんで、つい歌手の王菲のイメージで読むと何だか変な…

十千

中国語で時々1万のことを“十千”ということがあるが、これまでに私が気付いた範囲では映画でマレーシア華人の台詞として出て来た程度だった。てっきり英語の影響かと思っていたが、どうやらずっと昔から中国語に存在する表現らしい。 下は湖北省生まれの作家…

杉本つとむ『馬琴、滝沢瑣吉とその言語生活』

馬琴、滝沢瑣吉とその言語生活 作者: 杉本つとむ 出版社/メーカー: 至文堂 発売日: 2005/12 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (2件) を見る 作家の言語生活という側面から、特に語彙に注目して馬琴の日記を読み解いた書。 現代語のうち「結納」のよう…

七個

90年頃の中国語の教科書を見ていて、“七個”“八個”にはそれぞれ“qi2 ge”“ba2 ge”と“一”同様に第二声に変調させてピンインが振られているのに気付いた。今は規範的には“七”も“八”も変調せず第一声のみで発音することになっている筈だけれど、北京方言では今…

丟包

司機丟包30陸客 仇匪滅匪 觀光業站第一線(POT) 台湾の〈破報〉を読んでいたら、台湾の観光業者の悪質さを語る文章を発見。しかしどんな観光客に対しても奸計を弄するのではなく、被害甚大なのは“426(=死阿陸)”こと大陸からの中国人観光客である由。 …

兔子

上の記事でも引いた『黒旋風』の用例だが、“兔子”という罵語が気になった。 那天汪大哥给小玉儿在戴春林买了双丝袜,小玉儿喜欢得什么似的,跑出来时,那几个相公还等在门口,妈的,还想勾搭女孩儿家,给我当兔子倒不错哩。 女性的な男性や同性愛の男性を罵…

〜得什麽似的

穆時英の小説にくりかえし“得什麽似的”という強調表現が出てきたのでメモしておく。 他妈的,他哪里管得你这么多,飞似的冲过来,牛奶西施慌了,往旁一躲,一交跌在水里。把汪大哥气的什么似的。可是什么用?汽车一溜烟似的擦了过去,溅了汪大哥一衣服的泥水…

凝固個大概

“玩個痛快”“看個夠”という表現はよく見かけるが、“凝固個大概”という例はちょっと珍しく思われる。 採取したゴムの樹液を加工する描写。 倒入更大的桶,隔著漏斗,湧入的白色汁液一陣撲鼻的清香。然後一杓杓的勺入並排的尺許長的長方型鐵槽內,蹲下來,逐一…

屋燕

南方週末に、燕の巣についての記事が出ている。何でも“血燕”と呼ばれる赤色の巣が市場に出回っているそうだが、洞窟で採れる天然もののアナツバメの巣には、ごく稀に鉱物質などの影響で不規則な錆色を呈するものがあるが、燕が血を吐いて作るのではないし、…