屋燕

 南方週末に、燕の巣についての記事が出ている。何でも“血燕”と呼ばれる赤色の巣が市場に出回っているそうだが、洞窟で採れる天然もののアナツバメの巣には、ごく稀に鉱物質などの影響で不規則な錆色を呈するものがあるが、燕が血を吐いて作るのではないし、ましてや量産は不可能であるとのこと。よって市場で目にするのは養殖ものを赤く染めている由。

燕窝由金丝燕吐唾沫而成,筑巢在山洞里形成的天然燕窝,俗称“洞燕”,筑巢在燕农人工搭建的屋子里形成的燕窝,俗称“屋燕”。

 燕の巣はアナツバメの唾液で作られるが、洞窟に巣をかけてできた天然ものを俗に「洞燕」といい、ツバメ農家が人工的に建てた建物で作られるものを俗に「屋燕」という。

 マレーシアの邱湧耀(クー・エンヨウ/Khoo Eng Yow)の映画『バードハウス(鳥屋)』に、住まなくなった家をツバメハウスにするという話が出てきた。サバに旅行した時、ツアーでアナツバメの洞窟にも行ったが、薄暗い中洞壁にはゴキブリがびっしり張り付いており、ツバメの巣は目を凝らしても見えないくらい高い所にあるらしく、梯子に登って採集するとの話だった。市場に出回っているツバメの巣のうち、大多数はツバメハウスで採れた養殖物で、洞窟で採れる天然物はごく一部というのもむべなるかな。