2007-01-01から1年間の記事一覧

ディーパク・クマーラン・メーナン『ダンシング・ベル』(Chalanggai、2007)

東京国際映画祭で『砂利の道』のディーパク・クマーラン・メーナン(Deepak Kumaran Menon)監督の最新作、『ダンシング・ベル(Chalanggai)』(公式サイト)。マレーシアのインド系社会を背景にしたタミル語映画。 ダンシング・ベルとは何かと思ったら、古…

ディーパク・クマラン・メーナン『砂利の道』(Chemman Chaalai/The Gravel Road、2005)

東京国際映画祭、アジアの風部門でマレーシアのタミル語映画、『砂利の道(Chemman Chaalai/The Gravel Road)』(公式サイト)鑑賞。『愛は一切に勝つ(Love Conquers All)』の監督、陳翠梅がプロデューサーをつとめている。監督の母親の少女時代の体験に…

邱涌耀『鳥屋』(The Bird House、2007)

引き続きアテネ・フランセで邱涌耀(クー・エンヨウ)『鳥屋(The Bird House)』鑑賞。 舞台はマラッカ、戦前に建てられた古い家(ショップハウスというのはこれか)に住む福建系の一家。シンガポールで所帯を持っている兄がふらりと帰ってみると、いつのま…

ジェームス・リー『私たちがまた恋に落ちる前に』(念你如昔/Before We Fall in Love Again、2006)

『グッバイ・ボーイズ』の直後はジェームス・リー(李添興)の『私たちがまた恋に落ちる前に(念你如昔/Before We Fall in Love Again)』(2006)。「念你如昔」という中文タイトルは、關錦鵬(スタンリー・クワン)の97年のドキュメンタリー作品と同名だ…

バーナード・チョーリー『グッバイ・ボーイズ』(Goodbye Boys、2005)

国際交流基金映画講座のマレーシア映画特集で、バーナード・チョーリー(Bernard Chauly)『グッバイ・ボーイズ』鑑賞。かなり娯楽性が高く楽しく観られる一本。何宇恒の『霧』でぐったりした直後の上映だったので、緩急としては良かったか。 舞台は1990年の…

ヤスミン・アハマド『細い目』(Sepet、2004)

以前に英語字幕のビデオでも見たが、今回は日本語で、英語の台詞にもちゃんと字幕がついたバージョンを観られてよかった。ただ、広東語の部分などいくらか省かれていたのが気になる。 zacco-q.hatenablog.com 改めて気がついた点をいくつか。 ジェイソンの家…

ヤスミン・アフマド『ムクシン』(Mukhsin、2006)

ヤスミン・アフマドの2006年の作品。『細い目』『グブラ』の主人公オーキッドの幼年時代を描いたもの。オーキッド(Sharifah Aryana)は華小に通う十歳のマレー人少女。国語はマレー語だが、小中学校では中国語・タミル語での教育も行われており(それでもマ…

ヤスミン・アフマド『グブラ』(Gubra、2006)

東京国際映画祭では『ガブラ』のタイトルで公開されたもの。オーキッド四部作で、時間としては『細い目』『ラブン』の次に位置する作品。 オーキッドはイギリス・フランス留学から帰国し、年上のマレー人の夫を持つ身となっている。そんなある日、父が倒れた…

ハニ・アブ・アサド『パラダイス・ナウ』(2005)

舞台はヨルダン川西岸の町、ナブルス。若い女性(ルブナ・アザバル)が街の入り口、検問所の前で車を降りる。イスラエル兵士はぶしつけな視線を浴びせ、乱暴にバッグの中を引っ掻き回す。彼女が身分証を受け取ろうと手を出すと、兵士は無表情のまま嘲弄する…

ヤスミン・アフマド『細い目』(SePeT、2004)

マレーシアの女性監督、ヤスミン・アハマドの『SePeT(細い目)』鑑賞。2005年の東京国際映画祭における最優秀アジア映画賞受賞作。06年には彼女の全作品を一挙に公開する「ヤスミンの物語」の特集が組まれた。生憎どれも観ることができなかったのだが、英語…