レヴァン・ガブリアーゼ『アンフレンデッド』(Unfriended、2014)

 ブラムハウスのホラー映画。スカイプのビデオ通話を中心に、主人公のノートパソコン画面のみで構成されるので、コロナ以降の作品かと思ったらもう10年も前の公開だった。
 主人公のブレアという少女が、ローラ・バーンズという高校生の自殺のニュースを閲覧しているところから始まる。ネット上にアップされた動画が原因でいじめられた彼女は、衆人環視の屋外での拳銃自殺の瞬間までが、恐らく同級生の手で撮影され、死後もその動画がネット上に残っている。
 
 ブレアは自宅のベッドで恋人のジェスとビデオ通話をしているが、そこにグループ通話の着信があり、クラスメートたちといつものように会話を始める。しかし中に不審なアカウントが紛れており、強制排除しようとしてもできない上、何度通話を立ち上げ直してもそこにいる。無言のアカウントを気味悪く思うが、「バグだろう」と気にせず会話を続ける彼ら。そこに、死んだはずのローラからのメッセージが届く。 
 
 ローラの死の原因となった動画が何だったのかは、後半まで明かされない。性的なものかと思いきや、泥酔した彼女の、別の意味で「恥ずかしい」動画だった。グループ通話に紛れ込んだアカウントは、ローラの幽霊のように、チャットで指示を送り、通話参加者が互いに秘密を告白しなければならないように仕向ける。友人の交際相手とセックスしたり、薬物取引で友人を警察に売ったり、どいつもこいつもろくなことをしていない。
 
 最終的に、動画に心ないコメントを匿名でつけたのは誰か、アップしたのは誰か、撮影して共有したのは誰かを順に白状させられる。
 
 通話画面がフリーズしたり、動きがカクカクになったり、ディレイが生じて輪郭だけが残ったりといった、ビデオ通話でよくある事象が不気味な効果を上げている。高校生のどうでもいいおしゃべりがかなり長いが、不思議に飽きさせない編集で、つい見続けてしまう。幽霊の姿はまったく登場しないのもいい。ただ、幾つものアプリを立ち上げてあれこれ切り替えながら、ビデオ通話とチャットメッセージを同時にやり取りしたりするので、字幕を読もうとすると疲れる。読ませたいメッセージへと自然に視線が誘導されるので、字幕に目を向けず、そのまま英語を読んだ方がよさそうだ。英語を理解しようとしなくとも、だいたい前後の内容で意味は分かるようになっている。