シャムスル・ユーソフ『ムナフィク -悪魔潜伏- 2』(2018)

シャムスル・ユーソフ監督・脚本・主演イスラーム版悪魔祓い映画。時代設定は今ひとつ分からなかったが……

Netflixでは2しか配信がないのだが、ストーリーは1とつながっているらしく、主人公のウスタズ、アダムの妻マリアがなぜ死んだのかは2だけ見ても分からない。イスラームを標榜した邪教の黒魔術使いに支配された村で、彼に従わぬイマームは悪魔に取り憑かれ、その娘サキナーがアダムに助けを求め……という話で、悪魔祓いと邪教の徒を打ち倒すという二つの任務を遂行する。ショック・シーンが連打されるがどれもジャンプスケアで、怖さは控えめ。

悪魔は人間に取り憑き、屍食鬼さながらに口の周りに血をつけて出てくる。悪魔と闘う場面は、取り憑かれた人間に対してひたすらクルアーンの文句を唱え続けるだけで動きがないので、ダイナミックに見せるためにとりあえずカメラが揺れる。そして酔いそうになる。

様々な肉体的・精神的試練(特に謙虚に自分の弱さを知ること)を経て、正しい信仰を守り続けるという大枠の中に、アクションとゾンビ・ホラーを詰め込んだような盛りだくさんの設定。宗教映画もこう作ればエンタメになる。