ロッキー・ソラヤ『サードアイ2』(Mata Batin 2、2019)

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この世ならぬ者が見えるアリアとアベルの姉妹。二人に何かを伝えようとしているらしい女の霊との交信を試みたところ、妹アベルは非業の死を遂げる。

姉のアリアは家を売りに出し、孤児院に住み込みで働くことにする。しかしその孤児院は、妹が死の前に握りしめていたペンダントに触れた際に生起したイメージそっくりで、そこで出会った少女ナディアも霊に脅えている。

前作同様、呪術師に霊界との扉を開いてもらい、霊に取り殺されそうになっている生者をアリアが連れ戻すというパターン。霊界のチープ感とNPCのようにうろうろしているだけの亡者たちが何ともたまらない。

しかし、どうせ子供だから分かるまい、とたかをくくっていると、あの世から「パパ!」と叫びながら丸鋸を手に追ってくることもあるので注意が必要だ。地獄の業火で永遠に焼かれることになろうとも、生物学上の父だけは何としても殺してやろうという決心が子供ながらにけなげである。

しかし、幼い子供であろうが、復讐心をたぎらせて生者に害を成す悪霊は、容赦なく地獄に叩き落とされるというのは随分厳しい処遇のように思われる。

孤児院の経営者の妻はラクシュミ、姪はダルマという名前だが、特にヒンドゥー教徒であることを示す情報は読み取れなかったし、孤児院の所在地も明示的には示されない。民間呪術的な(?)こうした霊界映画と、イスラーム色の濃い悪魔祓い映画とがインドネシアでは同時にヒットしている様子。

 

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