Rizal Mantovani『クンティラナック: 鏡の中の幽霊』(Kuntilanak、2018)

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インドネシアのホラー。女霊クンティラナックにさらわれて少年が行方不明になったと噂される屋敷。そこから持ち出された鏡が、5人の子供たちを里子として育てている女性の屋敷に怪異をもたらす。

 2006年の同名映画のRizal Mantovaniによるセルフリメイクとのこと。クンティラナックはポンティアナック同様に妊娠中に亡くなった女性の霊とされるが、劇中に説明はない。子供をさらうが、さらわれた子供は稀に樹上や鶏小屋から発見されることもあるというので、日本でいう神隠しのようだ。

 里親の女性が三週間留守にすることになり、クンティラナックの写真を撮ったら高額賞金という話につられた子供たちは5人で心霊スポット探検に。村人総出で妖怪退治というパターンではなく、子供たちが霊と対決するので、「クンティラナックが可哀想……」と思うことなく安心して観られる。

 クンティラナックの撃退方法は額に釘を打ち込むこと。男がその役割を担うと見るに堪えないが、この映画では啓示を受けた少女が女の霊を鏡の中に送り返す。
コメディシーンの効果音がチープで若干疲れるが、ホラー映画の目玉の終盤30分はかなり楽しめる。何度も姿を現すクンティラナックが、やさしいお母さんであったり、ジャワ舞踊の踊り子(?)の姿で美しい歌を歌ったり、不気味と美の間を揺れ動くのは面白い。なお同監督による続編『Kuntilanak 3』(2022)はAmazon Prime Videoで公開されている。

 

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 『呪歌』の題でDVDになっているのが、2006年の同監督によるオリジナルらしい。

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