ロッキー・ソラヤ『サードアイ』(2017)

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インドネシアのホラー映画。両親が事故死し、遺された姉妹は社宅を出て、幼い頃に暮らしたジャカルタ郊外の屋敷に移ることになる。しかし妹はあの家には怖いものがいると言い張り、転居を渋るが……

妹はずっとヘッドホンをつけているので、聴覚過敏なのかと思ったらこの世ならぬ声が聞こえるのだった。幽霊に脅かされるのも、もしかして「見えるようになった」頃に性暴力を受け、フラッシュバックからパニック発作を起こしているのだったらどうしようと心配したが、本物の幽霊だった。

この世ならぬものが見えてしまう「サードアイ」の持ち主の身に起こる幽霊屋敷&憑依もので、中国語タイトルは「通霊眼」。香港映画ではよくある設定だが、「見える」現象が丁寧に説明されるのは、イスラーム圏では事情が違うのだろうか?

最初の幽霊シーンは庭のガジュマルの木。終盤で姉は怨霊たちのうようよする幽明の狭間のような場所を訪れるのだが、そこもガジュマルの気根が垂れ下がるトンネルのようなセットで、インドネシアでガジュマルは亡魂や精霊と結び付けられているようだ。

実は幽霊の一家と同居していたというところにちょっと笑ってしまった。しかし強盗に惨殺された一家、たとえ両親がいくらろくでなしでも、幼い子供は世界の終末まであそこに閉じ込められたままではあまりに可哀想で、なんとかしてあげられないものか。