ミカイル・レッド『カトリックスクールの怪異』(EERIE、2019)

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90年代半ばのフィリピン。聖ルチアの名にちなんだ女子学院で生徒が変死し、用務員が逮捕されるが、疑念を抱いた学院のカウンセラーは隠蔽された過去を暴こうとする。邦題はB級だが重厚な作り。

目隠しをし、手にした皿に眼球を載せたルチア像のイメージが反復され、闇を照らす断続的な光により、見えないものを見ようとすること、あるいは見ずに済ませようとすることが示唆される。

カウンセラーという設定がよく効いていて、生徒が相談室を訪れたら、それは相手が生者だろうが死者だろうが当然話を聞くし、相手の来やすい時間に合わせて深夜まで残業することもあるだろうと納得される。

さらに言えば、カウンセラーが「転移」感情にどう対処するかという問題がホラー仕立てになっているような気もし、この状況でプロのカウンセラーや精神科医ならどう対応するものなのかは気になるところ。