台湾の人情ホラー映画。冥土の門が開き、死者の帰ってくる鬼月の終わりに公開されたもののようだ。昔の中国では冥界にも官僚制がしかれ現世を鏡に映したように想像されていたが、冥土に閻魔大王のような裁判官がいるなら、その前に警察が捜査を行ってもおかしくない。
警察署内、使用禁止のエレベーターでのみたどり着ける階には、心霊関係の事件を専門に扱う「第九分局」がある。霊に悩まされる人間からの相談も受けるが、局内には死者も相談に訪れる(番号札をもらって窓口の順番を待つらしい)。生者と死者が観客に区別できるよう、死者は灰色に画像処理されている親切設計。
担当の警察官はいずれも霊の姿が見える特殊能力者で、済公の憑依する女性署員も。
シンガポールの楊雁雁(ヤオ・ヤンヤン)が突然現れ、黒魔術医を演じていた。逆十字のペンダントを下げるルシファー信者だが、生年月日と時刻を占って合致する生体の寿命を抜き取り、VIP患者に提供するという。
ちなみに冥婚が肯定的に描かれていたことをメモ。二人の妻を持つと占われた男性が、周囲の勧めに従って冥婚を行うと、幽霊の妻が息子を見守ってくれるという話。亡くなった母の幽霊ではなく、父の冥婚相手というのがポイント。
Netflixで日本語字幕配信。