ジョン・タートルトーブ『MEG ザ・モンスター』(The Meg、2018)

 米中合作のサメ映画。上海沖の観測基地で、海底と思われていた層のさらに下に未知の領域があるとの予測から、有人探査機が潜水する。そこには確かに空間が広がっており、生命体の存在すら確認されたものの、それは巨大イカと、絶滅した古代のサメ・メガロドンであった。

 潜水艇が浮上した際、一緒に海底の温水も上昇し、そこを通ってメガロドンも海面に到達してしまう。深海の水圧に適応してきた巨大魚が、海面近くであんなに元気に泳ぎ回れるものなのか、目は見えているのかなど色々疑問はあるが、それはまあよい。それより、船上活動に際して、研究スタッフたちは何度も海へ放り出されるが、泳げる人間は救命胴衣を着用しようとしないのは一体なぜ。どのような安全教育がなされているのだろうか。

 リー・ビンビンがシングルマザーの研究員役で、父ウィンストン・チャオと共に海洋生物研究に勤しんでいる。八歳の娘はパターンどおり、ませてかわいくない。

 サメは結局、海南島のビーチリゾート三亜へと移動し、餃子を茹でるような混雑ぶりの海岸で海水浴客を食い散らかす。世界最先端の研究を行う施設で、最新鋭の機器が装備してあるはずなのだが、肝心な場面で操作不能になったりサメに囓られたりして、最終的にはジェイソン・ステイサムが素潜りでメガロドンと格闘する始末。

 致命傷を負いつつ暴れているメガロドンは、血のにおいに釣られてうようよ集まって来た小型のサメたちに、生きながら食いつくされてゆくのだが、米中合作映画でこの結末か、と何やら考えさせるところもあるようなないような。

 シリーズ第二作の予告編は、映画館で観るとなかなか面白そうだった。

 

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