ジャウム・コレット=セラ『ロスト・バケーション』(The Shallows、2016)

 『ジョーズ』『ディープ・ブルー』に続きサメ映画の履修は三作目。亡き母が妊娠中に訪れたというメキシコのビーチを一人で訪ねたアメリカ人医学生。サーフィン中にサメに襲われ、干潮時のみ顔を出す岩場に取り残されるという設定。

 ファウンド・フッテージのサメ映画か? と最初ちょっと期待したが、さすがにアクションカメラを装着してサメと死闘を演じる話ではなかった。どちらかというと無人島サバイバルものでほぼ一人芝居。短めの尺で楽しく見られる。海に出るのにずいぶん色々アクセサリーをつけているわりに、下半身はビキニだけで、よく知らない土地ではくるぶしまで覆うウェットスーツを着ておいた方が安全では……と冷や冷やしながら見ていると、案の定の展開に。しかしアクセサリーがちゃんと「チェーホフの銃」の役を果たす(ものもある)ので、脱出劇としてはすっきりしている。

 まさにエメラルド色の海が美しく、あんな浜辺でぱちゃぱちゃ遊んだりころころ転がったりした後ならサメに食われてもいいと思ったが、ロケはメキシコではなく、オーストラリアの世界自然遺産ロード・ハウ島である由。劇中ではビーチの名前が明かされず、地元の住民によってわざと隠されているようだったが、その名に何か禁忌があるという設定かと思いきや、特に説明はなく終わってしまった。単に救助を求める際に正確な位置を伝えられないという事態への伏線だったようだが、そもそも通信手段がないのだから、あまり関係はなかったような。

 

 

zacco-q.hatenablog.com

 

zacco-q.hatenablog.com