オーラフ・デ・フルル『呪われた死霊館』(Malevolent、2018)

呪われた死霊館 | Netflix (ネットフリックス) 公式サイト

 

フローレンス・ピュー主演の英国ホラー。舞台となる屋敷の庭に咲いたシャクナゲが見事。邦題がややこしいがジェームズ・ワン死霊館シリーズとは無関係。

5年前に母を失った傷が癒えない兄妹。兄は借金に追われ、大学生の妹を霊能者に仕立てて除霊詐欺を続けている。母は精神的な問題があったと思われているが、「見える」のを苦にして自傷の果てに(前半にショッキングなシーンがある)命を落とした。

そのうち妹にも母と同じ症状が現れるようになり、依頼を受けて赴いた屋敷で幽霊を目にする。かつて孤児院だったその屋敷では、院長の息子による監禁殺人という惨劇の過去がある。殺された少女たちは口を縫い合わされていた。

見る力と叫ぶ力、そして子供の人生に落ちる母の暗い影という筋できれいにまとまるが、ラスト30分は冗長に感じた。兄の恋人、DVから逃げて兄妹の家に身を寄せているようなのだが、かなり扱いがぞんざいでは。(ライトブルーのVネックセーター姿がとてもかわいく、もうちょっと映画の中で大事にしてあげてほしい)