千葉劇場にて。台湾のベストセラー作家・九把刀の同名小説が原作だが、こちらの翻訳はまだ出ていないようだ(合わせて刊行すれば売れそうなのに!)。*1
1994年の彰化が舞台。だいたい三十才以上の観客なら、張惠妹(アーメイ)が五燈獎で勝ち抜いた年、と言われて「ああ」と思うところがあるだろうか。
冒頭のシークエンスではソーセージがマンホールの蓋に刺さって直立するが、終始その調子で少々うんざり。高校の時に(ここまでではなかったが)こういうタイプの男子がクラスにいたなあ(嫌いだった!)、などと思い出されて重い気分になる。さらに、大学に入ってから主人公がフォークダンスで初めて手をつないだ女の子がちらっと映るカット、垢抜けない女の子の容姿を落ちに使うのは非常に不愉快だ。
他にも、「男に電話して甘え泣きするな!」とか、ちょっとスクリーンに入って蹴っ飛ばしてやりたくなるようなシーンが次々に出てくるが、見ているうちにいちいち頭の中で突っ込みを入れるのが楽しくなってくる、という何とも妙な映画だった。台湾の青春映画は全体にキャストの年齢が高めだと思うけれど、本当に16、17歳くらいの子たちが演じていたとしたら、「まあおバカねえ」と笑って見られたかもしれない。
彎彎(ブログ)が思ったよりたくさん出ていたのと、天燈を飛ばすシーンは良かった。天燈映画コレクションに加えよう。ちなみに今までのコレクションは陸川『ミッシング・ガン』(尋槍!)、ラス・フォン・トリアー『メランコリア』。
ところで、英題の《 Apple of My Eye 》といえばドロレス・オリオーダンのこの歌だろう。
原題:那些年,我們一起追的女孩
英題:You Are the Apple of My Eye
製作年:2011
制作国:台湾
時間:110分
言語:中国語、台湾語
監督・脚本・原作:九把刀(ギデンズ・コー/Giddens Ko)
製作:柴智屏(アンジー・チャイ/Angie Chai)、崔震東(アダム・ツイ/Adam Tsuei)
出演:柯震東(クー・チェンドン/Ke Zhendong)、陳妍希(ミシェル・チェン/Michelle Chen)、郝劭文(スティーブン・ハオ/Steven Hao)、荘濠全(敖犬)(ジュアン・ハオチュエン/Owodog)、鄢勝宇(イエン・ションユー/Yen Sheng-yu)、蔡昌憲(ツァイ・チャンシエン/Tsai Chang-Hsien)、胡家瑋(弯弯/ワンワン/Wan Wan)
撮影:周宜賢(ジョウ・イーシエン/Chou Yi-Hsien)
編集:廖明毅(Liao Ming-Yi)
音楽監督:薛忠銘(ジェイミー・シュエ/Jamie Hsueh)
作曲:侯志堅(クリス・ホウ/Chris Hou)
*1:追記:2018年に阿井幸作・泉京鹿訳で刊行された。