『狂気と暴走 インドネシアサッカーの苦悩』(Running Amok、2019)

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 オーストラリアABC制作の短編ドキュメンタリー(30分弱)。アジアンドキュメンタリーズで配信。

 サポーター同士の衝突や他チームサポーターへの集団暴行など、しばしば人命が失われる結果に発展するインドネシアのサッカーリーグ。さらに八百長まで伝えられるが、労働者層の安価な熱中の対象として人気は不動。

 チームにペナルティが科されることを防ぐため、サポーター側も自重を呼びかけたり、サッカー協会も自浄に努めたりしているとはいうものの、その後2022年10月の痛ましい事件を免れることはできなかった。このドキュメンタリーにも、勝利の瞬間に立ち会おうと、外から試合中のスタジアムになだれ込む群集の映像が捉えられている。今となっては後知恵だが、どのスタジアムでも同様の事態はいつ起こっても不思議はなかっただろうし、規模が大きくなれば群集事故を招く可能性は予測できたのではないか。

 主な取材対象はジャカルタのチームのサポーターたち。応援の練習のため、日曜朝7時に集合する。軍隊式の訓練は統制より一体感を高める効果が高そうだが、応援歌に合わせてぴょんぴょん跳び跳ね続けるような応援は、確かに腕立て伏せなどで日頃からの鍛錬が必要なのかもしれない。

 字幕なしのバージョンはABCのサイトでも公開されている。

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