Kwabena Gyansah『アミナの運命』(Azali、2018)

www.netflix.com

児童婚に人身売買、児童買春といった重い問題を寡黙な少女の視点から描くガーナの劇映画。北部の村で母と祖母、母の弟と暮らす少女アミナ(ローティーンに見える)。亡き祖父の友人だったという老人から第四夫人として結婚の申し込みを受けるが、母は拒否し、アミナを都市部に出稼ぎにゆかせることにする。

しかし仕事を紹介してくれるといった女は人身売買のブローカーであった。幸い途中で警察に発見され、アミナは児童福祉施設に保護されたものの他の子供たちに誘われて脱走、南下して首都アクラへ。最初は市場で担ぎ屋をして稼ぐが、日決めの家賃が払えず、「寝てくれたら金を払う」という男の申し出を受け入れ、性労働の道に。

母を妊娠させて捨て、アクラに逃げたという父と、やがて想像しうる最悪の形で出会うことになる。最後には叔父と再会し、村に帰ることができるが、彼女を連れて施設から逃げ出した少年は仲間による制裁で殴り殺されて火を放たれるし、映像は控えめながらとにかく凄まじい内容だった。唯一救いがあるのは、村では日がな一日寝そべってぐだぐだしていた叔父(たぶん村では就労機会も限られているのだろう)が、アクラで再会した女性の友人の助けで、何か月も懸命に働きながら姪を探す力を得たことか。

携帯電話はなく、テレビやラジオの描写も一切ないので、時代背景は不明。車窓に映るアクラ中心部の大規模建築からするとそう昔でもなさそう。NISSANの文字が見えたので、日産がガーナに拠点を設けて以降だろうという手がかりから年代を推定できるのだろうか?

IMDbによると使用言語はアカン語、Wikipediaではそれに加えてダバニ語との情報も。英語のシーンもごくわずかにあり、ちなみにNetflixではなぜかナイジェリア映画に分類されている。