マドレーヌ・ギャビン『シティ・オブ・ジョイ 世界を変える真実の声』(City of Joy、2016)

https://www.netflix.com/jp/title/80203094

Netflix配信のドキュメンタリー映画。2011年にコンゴ民主共和国のBukavuに設立された、性暴力サバイバーを対象とするリーダーシップ育成施設。

コンゴでは民兵を雇う武装勢力が鉱物資源を支配下に置くことで、鉱山周辺の村落が襲われ女性が性暴力にさらされ続けているという。施設の設立者の一人Christine Schuler-Deschryverは、家族と地域社会を崩壊させる武器としてのレイプを「性的テロリズム」と表現していた。

コンゴ由来のレアメタルのうち「紛争鉱物」に当たるものが、自分の使用機器に使われていないと言い切れるのかどうか、合法に見えるような形で供給網に乗ってしまっているのではないかと不安になってきた。調べる方法はあるのだろうか。

被害を受けた女性の治療にあたったムクウェゲ医師は、ヴァギナや膀胱、直腸を失うほどのむごい傷を目の当たりにし、治療と並行して女性たちに必要なものを尋ねた。答えは「安心して暮らせる家」。

ほとんどの女性はレイプと出産を経験して施設にやって来るという。その経験を語り、護身術やスピーチなど様々なワークショップを通じて、隠れていた強さを表出する。ケアやエンパワメントというより、元々備わっている力強さを蘇らせるように感じた。

『ヴァギナ・モノローグ』の劇作家イブ・エンスラーも立ち上げから関わっており、身体の使い方や語り方など演劇的なワークショップの様子も収められる。自分とほかの女性たちを強い存在だと信じること。

www.eveensler.org

 


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