Hyrul Anuar『Three Widows Against the World』(Tiga Janda Melawan Dunia、2022)

https://www.netflix.com/title/81631033

マレーシアのハリラヤコメディ。中年独身女性の仲良し三人組。大ファンの男性歌手が引退記念コンサートを開くと知り、高額チケットの入手に奮闘する。しかしなぜかマフィアのボスが殺害された事件に巻き込まれ……

回想シーンが劇中劇の形式でレトロなメロドラマに演出されたり、三人のおばちゃんたちが突然ラップバトルを始めたりするのが楽しい。ネスカフェとホットリンクのわざとらしいプロダクトプレイスメントもかえって好感が持てる。

三人が独身である理由はそれぞれで(死別・離婚・未婚)、ファッションや職業もめいめい異なるが、農村部の人間関係の中で数十年にわたる友情を築いている設定。

アブラヤシ農園で働きながら一人娘を大学まで通わせているミダは、いつもスカーフをかぶってゆったりしたズボンを身につけている。孤児だったため、親戚に強いられて嫁いだものの、処女でないと疑われ、新婚二日目にして夫から離婚された過去を持つ。

夫の両親の経営する食堂で働くアニことノラニは、いつも小花模様のバジュクロン(ゆったりして上着の丈がかなり長い)を着ている。夫は特殊部隊で殉職したらしい。

雑貨屋の主人ロハユはいつもクバヤファッションで身ぎれいにしているが、独身を通しているのには理由がある。

電子タバコが重要なアイテムとして登場するが、三人娘は販売するだけ。自分たちでは試そうとせず、近所にたむろしている若い者に吸わせる。電子タバコもマレーシアではイスラーム的に問題となるらしいということをメモ。


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