デヴィッド・F・サンドバーグ『アナベル 死霊人形の誕生』(2017)

孤児院から6人の少女とシスターが野中の一軒家に寄宿することになる。〈死霊館〉シリーズでは残酷描写が多めで、昼の光の下に堂々と出て来る意外性や、恐ろしいものが出る直前の寸止めが続き緊張感が途切れない。

幸福の残骸のような屋敷、愛情あふれる両親に大切にされていた過去が窺える娘のかわいらしい部屋(壁紙や家具もすてき)が、恐怖の舞台に変貌する。おもちゃなど子供らしい小道具までよく行き届いているのと、あどけないのにちょっと影のある雰囲気のメインの子役二人がいい。年長の少女の微妙に意地悪な描写も好き。

それにしても、このシリーズを通じて、悪魔は目に見えない力で人間を吹っ飛ばしたり叩きつけたりできるのに、重い物で押さえた扉は開けられなかったりするのが謎である。ネズミの国のネズミのように瞬間移動であちこちに出現できるのに、扉をガタガタさせる必要はないような。

屋敷には子供が潜り込めそうなスペースや物置、隠し部屋が多く、這い込んで出られなくなったら見つけられないのではと思うくらい。シスターの部屋に設けられたリフトのように、何の目的で作られたのか説明されないものもある。忍者屋敷のようだが、アメリカの古い家はああいうものなのだろうか?

 

 

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アナベル 死霊人形の誕生(字幕版)

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  • ステファニー・シグマン
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