ジム・ギレスピー『ラストサマー』( I Know What You Did Last Summer、1997)

独立記念日のお祭り騒ぎの中、高校を卒業したばかりの若者四人がドライブ中、山道で男を轢いてしまう。発覚を怖れて死体を海に遺棄するが、翌年になって脅迫状が届き、フィッシャーマンコートの男に一人ずつ襲われるはめに。

多分以前に観たような気がするのだが(『恋愛小説家』と二本立てだった?)、当時気付かなかったのは、地元に残った者と出て行った者の懸隔が鮮明に描かれていたこと。田舎の漁師町で、高校を卒業した男子は水産加工業か漁業に従事、それが嫌ならよそに働きに出るという環境。

女優を夢見て都会に出た女子も、一年も経たずに挫折して、父の店で売り子をするしかない。主人公のジュリー(ジェニファー・ラブ・ヒューイット)は奨学金を得て法学部に進学するも、陰惨な殺人の罪悪感を背負ったまま留年すれすれの成績で、地元の彼氏とも別れてしまう。夏休みの帰省は「地元」という重荷との対決でもある。

冒頭で主人公たちが語る鉤爪の男の都市伝説、Wikipediaには〈The Hook〉として立項されている。帰宅すると女の家の窓から鉤爪の義手がぶら下がっていた、というバージョンを古典怪奇小説のアンソロジーで読んだ記憶があるのだが、検索しても見つからない。覚え違いだろうか?

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