ティモ・ジャイアント『悪魔に呼ばれる前に』（Sebelum Iblis Menjemput、2018）

『ヘッドショット』『マカブル』の監督によるインドネシア・ホラー。魔女と契約して富を築いた男の死の床に、先妻の娘と、後妻との間の子たち計4人が集まる。

長く放置されていた屋敷を訪れた彼らは、封印されていた魔女の呪いを解いてしまい、一人ずつ憑依されてゆく。互いの心に長年巣くっていた疑念に付け入る悪魔。近親姦をほのめかすシークエンスがあるが、一方通行の思い込みなのかもしれない。

魔女を介した悪魔との契約は髪の毛を用いた人形呪術で、イスラーム的要素は見えない。インドネシア映画では、穢れたものは雷雨の夜に出現すると相場が決まっているが、これも例外ではない。ゴア描写はあるものの、血糊より泥水の方が使用量が多そう。