デヴィッド・R・エリス『デッドコースター』(Final Destination 2、2003)

 『ファイナル・デスティネーション』シリーズ第二作。第一作での飛行機事故からちょうど一年後。ハイウェイでの玉突き事故を幻視した主人公のキンバリーは、ハイウェイに入る車列を妨害する。予兆の通りに大事故が起こるが、一命をとりとめたはずの男女が順番に死んでゆくことに。

 飛行機事故の唯一の生存者クレアは、精神科に入院して外の世界の危険から身を遠ざけていたが、キンバリーに協力して死の訪れる順番を変更しようと試みる。
ドミノ倒しのように不幸な偶然が連続し、登場人物が次々と即死する趣向は前作と同じ。人体損壊の度合いは前作より高かったような気がする。

 九死に一生を得た経験は、幸運ではなく死が自分をつけ狙っていることの前触れだということになる。澤田瑞穂『鬼趣談義』に見られる中国の鬼求代の話では、身代わりに誰かを取り殺そうとしている幽鬼の手から命を救うと、救われた人間ではなく救った人間が幽鬼の恨みをかうことになる。しかしアメリカの死神は、どうやら助けに入った人間の存在は無視し、当初命を奪う予定であった相手に執着するらしい(?)。少なくともこのシリーズの設定ではそういうことのようだ。

 

 

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