メキシコからオハイオのクリーブランドに渡ってきた女性。縫製工場で低賃金労働に従事しながら米国IDを入手し、遠縁の親戚を頼って新しい仕事を見つけようと試みるが……
不法滞在の若い女性が、弱みにつけこまれて幽霊屋敷に監禁される話であると同時に、誰より愛しているはずの母親こそが彼女を束縛する枷だというジレンマの話でもある。
蛾（それとも蝶？）が繰り返し出現するのは、アステカ神話に由来するらしい。馴染みのある観客には、地下室に安置された箱の中身はすぐ想像がつくのかもしれない。ただ、見どころはその正体より形象であろう。
