徐渭『四声猿』「狂鼓史漁陽三弄」

 三国演義第二十三回の禰衡の故事は、徐渭の雑劇『四声猿』の「狂鼓史漁陽三弄」に作られているが、ひとひねり加えて、禰衡が冥府で閻羅王の命に従い当時を再現してみせるという趣向になっている。どんなふうに上演したのかと思っていたが、昆劇の動画を見つけた。衣装もつけず練習風景のような舞台だが、みなで死後の曹操をいじめるさまがなかなか楽しい。舞姫たちがまじめくさって歌うのも曹操をからかう戯れ歌で、曹操の顔はカメラには向けられていないが、きっと縦線が入っている事だろう。
 演義にも『四声猿』にも、新しい衣に替えろと言われた禰衡がわざと全裸になる場面があるが、さすがにそのシーンは舞台からはカットされている。徐渭が作った当時はどんな風に上演していたのだろう。

  • 《四声猿骂曹》

 こちらのアニメーションでは禰衡が素裸で太鼓を叩く姿が描かれている。こういう老人のイメージなのか。

  • The Fourth Cry of The Monkey (四声猿)