DVDでフレデリック・ワイズマン『クレイジーホース・パリ 夜の宝石たち』。
クレイジーホースの新しいショーを作るため、劇場の様々な問題にテコ入れを…というドキュメンタリーなのかと思いきや、結局のところ何が解決されたのかよくわからないが、何とか新しい演目がスタートしたらしい。というわけで特に何らかの展開があるわけではなく、クレイジーホースの舞台裏の日常という雰囲気。
ショーの演目で面白かったのは、複雑な照明や鏡を使って、人体をノーマン・マクラレンのアニメーションのように見せるもの。最後の甘える子猫の影絵もよかった。
あとはハイファッションのブランドの広告が動いているようで、確かに目の保養にはなるけれど、きれいきれいな「お芸術」という感じのヌードは上品すぎて少々もの足りない。ダンサーも全員ほぼ同じ体型の白人で(乳房の角度まで揃っている)、横一列に整然と並ぶと圧巻ではあるけれど、だんだんと飽きてくる。(陶器のようなお尻よりも、毛穴や吹き出物が見えるような猥褻な裸のショーが見たい…というのは個人的な嗜好の問題だが)
フィナーレをどうするかでさんざん議論していた割に、「DESIR」の文字の間で踊るシーンは今ひとつだったような。あのコーラスはキッチュを狙ったのかもしれないけれど、もう少し何とかしたほうがよいのでは…。
ところで、恐らく誰もが思ったことだろうけれど、楽屋でダンサーたちが見ているバレエのNG集のようなビデオについて詳細が知りたい。
原題:Crazy Horse
英題:Crazy Horse
製作年:2011
制作国:フランス、アメリカ
時間:134分
言語:フランス語
プロデューサー:ピエール・オリヴィエ・バルデ(Pierre Olivier Bardet)、フレデリック・ワイズマン(Frederick Wiseman)
監督:フレデリック・ワイズマン
出演:フィリップ・ドゥクフレ(Philippe Decouflé)、クレイジーホースダンサー
編集:フレデリック・ワイズマン
撮影:ジョン・デイヴィ(John Davey)