シアオ・ヤーチュアン『台北カフェストーリー』

 アジアフォーカス・福岡国際映画祭にて。会社勤めを辞めた朵兒(グイ・ルンメイ)は台北に念願のカフェを開く。ちょうど無職で家にいた妹の薔兒(リン・チェンシー)が、母の言いつけで手伝いに来る。朵兒は苦心してシックでエレガントな店をデザインするものの、なぜか開店祝いに元の同僚たちは妙な置物を次々に持ちこみ、店内はさながら不用品回収所といった趣きに。薔兒は一計を案じ、欲しい物があれば物々交換で、と客に呼びかける。そのうち、常連客となった男(張翰)が世界35の都市で集めた石鹸を持ちこみ、それぞれの物語と交換しようと言い出す。
 都会のお洒落な映画を観たくて、グイ・ルンメイが好きな人にはまあお勧めかという作品。
 ただ台詞での説明が多すぎて、登場人物の心情をいちいち独白させたりするのがちょっとやり過ぎの感あり。全部言葉にして解説してしまうなら、わざわざ映画にする意味は無いような気がする。
 妹役の林晨唏がボーイッシュな造型で、ちょっとふてくされたような無表情なところも含めて可愛かった。

原題:第三十六個故事/Taipei Exchanges
制作年:2010
制作国:台湾
プロデューサー:シヤオ・ルイラン(蕭瑞嵐)
制作総指揮:ホウ・シャオシェン侯孝賢
監督・脚本:シアオ・ヤーチュアン(蕭雅全)
出演:グイ・ルンメイ(桂綸鎂)、リン・チェンシー(林晨唏)、チャン・ハン(張翰)、中孝介
撮影:リン・ジェチアン(林哲強)
音楽:サマー・レイ(雷光夏/Summer Lei)、ホウ・ジージエン(侯志堅)
録音:ドゥ・ドゥージ(杜篤之)
編集:タオ・チューチン(Chu-Chun Tao)
美術:リー・トゥンカン(李敦綱)