アニヤ・テイラー=ジョイが主役の方の映画。エマの家庭教師が嫁いでいった後、ハリエット(ミア・ゴス)という少女がエマの「コンパニオン」になる。満開のマロニエの下でのクライマックスが美しく、よくこの枝ぶりの木を探したものだと感心。
エマはハリエットを本当に友人だと思っているのか、それとも自分と同じ階級に引っ張り上げようとするふりを見せて、結局は彼女を閉め出すことで自分の優位を確認しようとしている「フレネミー」として描こうとしたのか、最後まで分からなかった。
しかし、原作の時代背景を考えると、心からの友情も分をわきまえたところに成立するのかもしれない。最終的には二人とも分相応の相手と幸福を見つけてめでたしめでたし。その中にも、着替えから何から召使いの手を借りる生活の裏側を、ちらりちらりと覗かせる意地の悪いカットが入る。