デビッド・コープ『レフト 恐怖物件』(You Should Have Left、2020)

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何か過去に秘密のあるらしい年上の夫と若い女優の妻、幼い娘の家族三人が、ウェールズの田舎に滞在する。景色は美しく、ネットで予約した屋敷は家の中で迷うほど広いが、妙に複雑な間取り。

冒頭の夫の夢では娘が見知らぬ男に窒息させられ、罪とは何かを問いつめられている。オーディオガイドを聞いたりしてメンタルケアと対人関係の改善を図る様子が映されるが、妻とのやりとりからは、受動攻撃的な疑り深い性格が根本にあるらしいことが窺われる。

そして、陰湿でねちねちした受動攻撃性を持つ者は、その攻撃性を愛する者に向けてしまった以上、次の被害者を出す前に、自らを隔離しなければならないのであった。原作はドイツのダニエル・ケールマン、製作は米国。日本だと「そういう人よくいるよね」で済まされそうで、改善を図るべき問題として認識されないような気がする。