https://www.netflix.com/jp/title/81504695
Netflixで日本語字幕で観られるマレーシアのアクション・サスペンス。刑期を終えて出獄した男。妻子を殺した犯人に復讐を誓うが、そこに妻のいとこを名乗る男が出現して、手を組もうと申し出る。
アジアン・アクションではジョニー・トーが里程標になっているのだとつくづく思う。ガン・アクションとマーシャル・アーツの要素を備え持つが、アクションもさることながら、杜琪峯の先行作品の手法が換骨奪胎されているのでは。
主人公は『Interchange』でPTSDに苦しむカメラマンを演じた Iedil Dzuhrie Alaudin、本作も相変わらず顔色の悪い役。写真館の主人だった周堅華は今度はムショ友。復讐を手伝う男は、えへらえへら笑いながらぽんぽん人を殺す異様な造形。瞳に狂気が潜むというパターンではなく、単にへらへらしているのが不気味。舞台はKL、妻の出身がサラワクのビントゥルということはメモしておく。
華人の若者がマレー系かインド系の女性に思いを寄せるというプロットがあるが、この女性の背景は説明されない(演じた女優さんの姓はインド系のようだが)。しかし女性はマレー人青年を伴侶に選ぶ。「すべてにおいて彼より俺の方が優れているのに、なぜ俺じゃダメなんだ」という台詞があるが、ブミプトラ政策に対する政治的な寓意を読み取ろうとすると、かなり際どい映画になる。