シネプレックス幕張で『クラウド アトラス(雲圖)』(日本公式サイト)再見。前回観たのは134分の中国版だったので(初見時の感想)、今回172分の日本公開版と比べてみた。
どこか問題のあるシーンがあってカットしたというより、単に商業的理由から上映しやすい長さに削ったらしく、全体に少しずつ省いて尺を縮めたという印象。ペ・ドゥナの登場シーンがたぶん一番削られていて、ベッドシーンやネオ・ソウルのスラム街の描写はまるまる無かった。 中国版はその分ややわかりにくい箇所もあったけれど、ペ・ドゥナのパートに関してはカットして良かったように思う。クローン人間の運命を知った後で、涙をためて横たわる彼女にジム・スタージェスが寄り添うシーンを見れば、そこまでに二人がすでに関係を持っていることは察しがつくのだから。
他に気づいた中で一番印象が異なったのは、ハル・ベリーがジャーナリストを演じるエピソードで、工場に逃げ込む場面。ヒスパニックの女性の犬が追跡者に吠えついて撃たれるところだが、中国版では銃声の後すぐにカットが切り替わって、何を撃ったのかは分からないようになっていた。後で女性が再び現れ、追跡者の頭部に鈍器を振り下ろして「あの犬を愛してたのに!」というところで初めて撃たれたのが犬だと分かる仕掛け。
観てからだいぶ時間が経ってしまったので、これだけをメモしておく。(4/21記)
- 作者: デイヴィッド・ミッチェル,中川千帆
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2013/01/22
- メディア: 単行本
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原題:Cloud Atlas
製作年:2012
制作国:ドイツ、アメリカ、香港、シンガポール
時間:172分(中国版134分)
言語:英語
制作総指揮:フィリップ・リー( Philip Lee )、ウーヴェ・ショット( Uwe Schott )
プロデューサー:グラント・ヒル( Grant Hill )、ステファン・アーント( Stefan Arndt )、トム・ティクヴァ( Tom Tykwer )、ラナ・ウォシャウスキー( Lana Wachowski )、アンディ・ウォシャウスキー( Andy Wachowski )
監督:トム・ティクヴァ、ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
原作: デイヴィッド・ミッチェル( David Mitchell )『クラウド・アトラス』
脚本:トム・ティクヴァ、ラナ・ウォシャウスキー、アンディ・ウォシャウスキー
出演:トム・ハンクス(Tom Hanks)、ハル・ベリー( Halle Berry )、ジム・ブロードベント( Jim Broadbent )、ヒューゴ・ウィーヴィング( Hugo Weaving )、ジム・スタージェス( Jim Sturgess )、ペ・ドゥナ( Doona Bae )、ベン・ウィショー( Ben Whishaw )、ジェームズ・ダーシー( James D'Arcy )、周迅( ジョウ・シュン/Xun Zhou )、キース・デイヴィッド( Keith David )、デイヴィッド・ギヤスィ( David Gyasi )、スーザン・サランドン( Susan Sarandon )、ヒュー・グラント( Hugh Grant )
編集:アレクサンダー・バーナー( Alexander Berner )
音楽:トム・ティクヴァ、ジョニー・クリメック( Johnny Klimek )、ラインホルト・ハイル( Reinhold Heil )
撮影:ジョン・トール( John Toll )、フランク・グリーベ( Frank Griebe )