キム・ジウン『人狼』(인랑、2018)

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南北統一が実現された近未来の朝鮮半島を舞台とした実写アクション。冒頭3分間で国際情勢が説明されるが、濃縮しすぎでついてゆけない。しかし肝心なのは対「セクト」を目的に設置された「特機隊」と公安との暗闘という構図。

アクションは豪華で、ひたすらガラスが割れ便器が砕け煉瓦が崩れるという大盤振る舞い。「車がぶつかり合ってばかりで飽きてきた」と思う頃にすかさずサスペンス要素が入るし、「偉そうな中年男たちがふんぞり返っているだけか」と思うと、ちゃんと悪役が自分の手を汚すのは偉い。スーツ姿で拷問も辞さない。もっとも、組織のトップはふんぞり返っているだけだが。

日本のアニメの実写リメイクだそうだが、DVDなどは出ておらず、Netflixでの配信のみだったようだ。配信終了後は見られる機会がなくなるのだろうか?

ラストの列車は新義州行き。丹東に抜けるつもりかと考えてから、それよりも、北朝鮮への直通列車はディストピアでない未来に託された希望の象徴かと思い直す。